“注文に時間がかかるカフェ“というカフェを聞いたことありますか?
常設店はなく、全国各地を移動しながら開店してるカフェ。
そして接客するスタッフはすべて”吃音(きつおん・どもり)”のある高校生以上の学生。
吃音とは、話す時に言葉(音)が詰まってしまったり、言葉が滑らかに出てこない発話障害の一つで、日本には約120万人いると言われています。
吃音を抱える学生が働く注文に時間がかかるカフェとは、一体どういったカフェなのか、どういった経緯で誕生したのかなど、実際に東京で開催されたカフェの模様と共にご紹介したいと思います。
注文に時間がかかるカフェの誕生
注文に時間がかかるカフェが誕生したのは、発起人の安村安莉沙さんが10歳の時に書いた手紙。
その手紙には「大人になった私へ。カフェで働く夢を叶えていますか?」と書かれていたそうです。
吃音のため人と話すのが難しいと思い諦めていたのですが、留学先のオーストラリアで色々な病気や障害を抱えた人が活躍するカフェで働いたのをきっかけに、帰国後同じように悩みを抱えてる人たちの力になりたいとカフェを開催し今に至るとのこと。
注文に時間がかかるカフェを全国に
今の夢は注文に時間がかかるカフェの輪を全国に広げること。
人と違うということで悩んでいる人の自信に繋がり、人との違いを理解し受け入れる社会の役に立てたら。
そんな想いを持つ安村さんが開催するのが注文に時間がかかるカフェです。
注文に時間がかかるカフェを知ったきっかけ
注文に時間がかかるカフェの存在を知ったのは2023年7月。
youtubeを見ていた際に何かのタイミングで流れてきた注文に時間がかかるカフェの動画。その動画をみて興味を持ち検索したところ、クラウドファンディングで支援できることを知りすぐさま登録をしました。
そして、7月と8月に東京で開催されることを知り、参加してきました。
今回、2023年7月に代々木で、2023年8月に浅草で開催された注文に時間がかかるカフェを訪れて見えたもの感じたことを紹介していきたいと思います。
注文に時間がかかるカフェ -代々木-
最初に注文に時間がかかるカフェを訪れたのは2023年7月15日。代々木でラジオ局のJ-WAVEが主催する「INSPIRE TOKYO 2023」に特設ブースとして注文に時間がかかるカフェが出展するとのことでお邪魔させていただきました。
今回は通常の喫茶店などを借りての開催ではなく、特設ブースとしての開催。
入り口には「注文に時間がかかるカフェ」について書かれた看板が。
入り口では「注文に時間がかかるカフェ」についての説明があります。
吃音についての説明もあり、話す際に気をつけることなどの説明をしていただきました。
注文に時間がかかるカフェのスタッフさんに聞いた参加した理由と今後
代々木では今回2回目の参加という店員さんにお話を聞かせていただきました。
注文に時間がかかるカフェに参加したきっかけを聞いたところ、
「高校2年の時の進路決定の際に、大学には行きたいけどしたいことはない状態だったが、小さい頃から吃音があって、少しでも自分と同じ吃音の人の助けになる仕事がしたいと思い、色々と調べていたら”注文に時間がかかるカフェ”の存在を知り、チャンスだ!と思って応募しました!」と話してくれました。
正直、その行動力凄いと思いました。
自分が高校生の時に同じ行動ができていたかどうか。
そして注文に時間がかかるカフェに参加して”変わった”点に関しては
「最初は緊張して全然話せなかったのですが、終わる頃には不思議と緊張が消えていました。悩みを共有できたり、刺激をもらったり、今まで知らない人と話すことがなかったので、色々な人の色々な言葉を聞いて、言葉を返すのがとても楽しくて心地よかったです。相手に言葉を受け入れてもらう、伝わる感覚をすごく感じて、どもってもいい安心感が今までにない感覚でした。」
と話してくれました。
1回目の参加時に”楽しさ”を感じて、再度参加するという学生さんも少なくないとのこと。
最後に今後やりたい事はありますか?の問いには
「何かで苦しんでる助けに仕事をしたいなと考えてます!」
と、とても素敵な笑顔で答えてくれました。
注文に時間がかかるカフェ -浅草-
浅草にある「なごむカフェ」さんでの開催。
2回目の参加ですが、前回の代々木が通常の注文に時間がかかるカフェとは異なる形のため、どういったものなのか、楽しみでした。
前回と同じく、注文に時間がかかるカフェの看板が。
早速、店員さんが注文を取りにきてくれました。
メニュー表の中からメニューを選びます。
メニューを待ってる間に吃音に関してのクイズが
頼んだメニューが届く間に吃音の方とお話をする際のクイズがありました。
全問正解すると、お菓子がもらえます!
注文に時間がかかるカフェのスタッフさんに聞いた参加した理由と今後
この日も参加されている店員さんにお話を聞かせていただきました。
-”注文に時間がかかるカフェに参加してみようと思った理由はなんですか?”
「自分自身、吃音は悩みで、この先どうやって吃音と一緒に過ごしていこうかを考えていた時にSNSで注文に時間がかかるカフェを見つけて、どういったものなのか気になり参加してみようと思い、参加しました。」
-“注文に時間がかかるカフェに参加して自分の中でどういった変化がありましたか?”
「いつも人と話す時、緊張してそれを自分で感じて更に緊張してしまうという負のループのような形になってしまう事が多くて、、、今日も最初は緊張していたのですが、次第に楽しく話せるようになって気づいたらあっという間に時間が過ぎていってました!話すことが楽しいと思えたのが一番大きな変化かなと思います!」
そしてこう続けてくれました。
「今まで同じ境遇の人がいなかったのですが、自分と同じく吃音を持ってる人がこんなにいるんだというのを知って、気が楽になりました。そういった点が緊張をほぐしてくれたのかなって思います。実際に今日働いてみて、同じように吃音に悩んでいる方や、周りに吃音で悩んでいる方がいらっしゃったら是非一度足を運んでみたり、店員さんとして参加してみてほしいなって思いました!」
代々木でお話を聞かせていただいた店員さんも、浅草で話を聞かせていただいた店員さんも共に最初は”緊張”していたが、その緊張がほどけていったという事。そして「人と話すことが楽しい」と言っていた点。
人と話す事が億劫だった彼ら、彼女らがそういった気持ちになれるカフェ。
発起人の奥村さんの願いがしっかり形になっているのを感じました。
注文に時間がかかるカフェに行って感じたこと
今回、カフェを訪れた際にいらっしゃっていた方の多くは自身が吃音だったり、お子様が吃音だったりという方のように見受けられました。
小さなお子様も多く、みんな楽しそうなのが印象的でした。
そういった風景を見ていてふと「自分はなぜ、この活動に興味を持ったのか」「ただの興味本位なのではないか」「そういった気持ちで記事にしたりしていいものなのか」といった気持ちになりました。
なんでそういった気持ちになったのか自分でもわからず、上記のような事を考えてしまいました。
当事者じゃない人が興味を持ってはいけないということはないですし、一人でも多くの方に興味を持ってもらうことで、より注文に時間がかかるカフェが広がりを見せていく可能性はあると思います。
今こうして記事にしている段階でも「なぜ興味を持ったのか」に対する明確な答えというのは出ていません。
強いてあげるとしたら「良い活動だな」と思ったからです。
今回、実際に吃音を持つ方とお話をさせていただき、上記で紹介したような声を聞き、改めて「良い活動だな」と思いました。
本来であれば、注文に時間がかかるカフェのような場所がなくても、人と話すことが楽しいと思えるような状況が一番いいんだよな。と思う部分もあります。
どもってしまい、それを真似されたり、からかわれたりして、人と話すのが億劫になってしまった。そのため、やりたい事があったけど諦めた・・・という状況が存在していることが、おかしなことだよな。と。
しかし今、それを言っても何も解決しないですし、そういった状況があることは変わらない。だったら「注文に時間がかかるカフェ」のような場所というのは貴重な場所だな。と。
そこに対して自分が今できること、それが金額に関わらず支援だったり、こうして記事にする事で吃音に悩んでいる人の目にとまり注文に時間がかかるカフェに参加するきっかけになったり、同じように支援しようと思う人が一人でも増えればそれでいいのかなと。
そう思い、結果こうして記事にさせていただきました。
注文に時間がかかるカフェのまとめ
今回、注文に時間がかかるカフェを紹介させていただきました。
注文に時間がかかるカフェを知った際に感じたこと、そして参加して改めて感じたこと。気持ちに多少変化はあったものの、今後も応援していきたい活動だなと思いました。
今回、お話を聞かせていただいた店員さんや注文に時間がかかるカフェを訪れた人たちの笑顔がとても印象的でした。注文に時間がかかるカフェに参加したきっかけ、そして参加して感じたことの中にある前向きな気持ちもなんだか元気をもらいました。
ちなみに10月22日は国際吃音啓発の日です。注文に時間がかかるカフェのサイトでは、今後の活動や接客スタッフの募集などが掲載されています。そして、吃音についても書かれています。
もし、今回の記事を読んで注文に時間がかかるカフェに興味を持たれた方は下記からオフィシャルサイトに飛べますので、見てみてください。
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