
「面接は私服でお越しください」という案内メールを見て、逆に何を着ていけばいいのか頭を抱えてしまった経験はありませんか?スーツであれば悩む必要はないのに、私服と言われた瞬間に「ジーンズは失礼?」「スニーカーはNG?」「そのブランドの服を持っていなくても大丈夫?」と、疑問が次々と湧いてくるものです。
アパレル業界の面接において、服装は単なる身だしなみ以上に、あなたのセンスやブランドへの理解度をアピールする重要なプレゼンテーションの場となります。しかし、気合いを入れすぎて空回りしたり、逆にラフすぎてマナー違反と見なされたりするケースも少なくありません。
今回の記事では、アパレル面接で採用担当者に「一緒に働きたい」と思わせる服装選びの正解について解説します。基本のマナーから、絶対に避けるべきNGコーデ、さらにはブランドの系統別のおすすめスタイルまで具体的に紹介していきます。
自信を持って面接に挑めるよう、服装選びの不安を解消していきましょう。
- アパレルの面接で「私服」と言われて困惑している方
- 自分の服装が面接官にどう見られるか不安な方
- 志望するブランドに合わせた具体的なコーデを知りたい方
なぜアパレル面接は「私服」なのか?合格に繋がる3つの意図

一般的な企業の面接では「清潔感」や「社会人としてのマナー」が最優先されますが、アパレル業界ではそれに加えてもう一つ、非常に重要な評価基準があります。
それは「あなたがそのブランドの店頭に立ったとき、お客様に憧れられる存在になれるか」という点です。
なぜ企業があえて「私服」を指定するのか、その意図を正しく理解することで、選ぶべき服の基準が自然と見えてくるはずです。
面接官がチェックしているポイントは、大きく分けて以下の3つになります。
- ブランドイメージとのマッチング(自社の服が似合うか)
- 接客業としての「清潔感」と「身だしなみ」の基礎能力
- トレンドへの感度と自己プロデュース力
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
ブランドイメージとのマッチング(自社の服が似合うか)
面接官は、あなたの服装を見て「うちのブランドの雰囲気に合っているか(=マッチング)」を直感的に判断しています。どれほど優秀な経歴を持っていても、例えば「ナチュラルで穏やかな雰囲気」が売りのブランドの面接に、全身黒のハードなレザージャケットで現れたら、「この人はうちの店には合わないかもしれない」と思われてしまうでしょう。
服装は言葉以上に、あなたの「ブランドへの愛」や、逆に「リサーチ不足」をはっきりと相手に伝えてしまいます。面接の前には必ず、応募するブランドの公式サイトやSNS、実際の店舗をチェックしてみてください。
「店員さんはどんな服を着ているか」「どんな色使いが多いか」を分析し、そのテイストに寄せた服装を選ぶことが、合格への第一歩となります。
また、販売員だけでなく「アパレル業界にはどんな仕事があるのか」を深く理解しておくことも、面接での志望動機を強化するのに役立ちます。
接客業としての「清潔感」と「身だしなみ」の基礎能力
アパレル販売員は、お客様に商品を提案し、夢を与える仕事です。そのため、服のセンス以前に「人として不快感を与えない清潔感」が徹底されているかが厳しくチェックされます。
服のシワ、襟元の汚れ、靴の擦れなどは、自分では気づきにくいものですが、面接官はプロの目を持っていますから、そういった細部こそ見逃さないものです。
細部まで手入れが行き届いているかを見ることで、「商品を大切に扱えるか」「お客様に対して丁寧な対応ができるか」という仕事への適性を判断しているのです。面接当日は、新品の服を着る必要はありませんが、アイロンがけや靴磨きなど、メンテナンスだけは入念に行いましょう。
面接での身だしなみはもちろんですが、実際に働き始めてからの「毎日のおしゃれ」や「服代」についても気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
トレンドへの感度と自己プロデュース力
アパレル業界は流行の最先端を扱う仕事であるため、今のトレンドを全く無視した服装は「感度が低い」と判断されるリスクがあります。かといって、トレンドアイテムで全身を固めれば良いというわけではありません。
重要なのは「自分に似合うものを理解しているか(自己プロデュース力)」です。ベーシックなスタイルの中に、今季流行のカラーや素材感をワンポイント取り入れるなど、トレンドを「自分らしく」消化できているかが評価の分かれ目となります。
「この人はおしゃれだな」「ファッションが好きなんだな」と面接官に感じさせることができれば、強力なアピールになるでしょう。
【系統別】迷ったらコレ!アパレル面接の正解コーデ実例
「意図はわかったけど、具体的に何を着ればいいの?」と悩んでしまう方のために、ここからはブランドの系統別におすすめのコーディネート例を紹介します。
応募するブランドがどのタイプに当てはまるかを考え、近いスタイルを参考にしてみてください。
コーディネートを組む際は、以下のポイントを意識すると失敗が少なくなります。
- 可能であれば、そのブランドの服を1点は取り入れるのがベストです。
- 持っていなければ、ブランドのテイスト(色使いやシルエット)を真似するだけでOKです。
それでは、3つの主要な系統について、具体的なアイテム選びを見ていきましょう。
「キレイめ・百貨店系」はジャケットスタイルで信頼感を演出

百貨店に入っているブランドや、オフィスカジュアルを提案するブランドの場合、「信頼感」や「上品さ」がキーワードになります。
奇抜なデザインよりも、シルエットの美しさや素材の上質さを重視しましょう。
- トップス:ブラウスや薄手のハイゲージニット、シャツなど、襟付きやハリのある素材を選びます。色は白やベージュ、ネイビーなどが好印象です。
- ボトムス:センタープレスの入ったテーパードパンツや、膝丈〜ミモレ丈のスカートですっきりとした印象にまとめます。
- 羽織り:ジャケットやカーディガンを合わせることで、きちんと感がグッと高まります。
全体的に落ち着いたトーンでまとめつつ、スカーフや小ぶりのアクセサリーでさりげなく華やかさをプラスすると、地味になりすぎず「仕事ができる女性」の雰囲気を演出できます。
「カジュアル・ライフスタイル系」は清潔感のあるレイヤードで差をつける

ショッピングモールなどのファミリー向けブランドや、着心地重視のライフスタイルブランドの場合、カッチリしすぎるのも逆効果です。「親しみやすさ」と「おしゃれ感」のバランスを意識したコーディネートを目指しましょう。
- トップス:清潔感のあるコットンシャツや、質の良いカットソーを選びます。洗いざらしの風合いが良いブランドなら、リネンシャツなども選択肢に入ります。
- ボトムス:チノパンやデニム(ダメージのないもの)、ロングスカートなど動きやすいアイテムを合わせます。
- ポイント:シャツの下にカラーTシャツを重ねたり(レイヤード)、袖をまくって手首を見せたりと、着こなしで「こなれ感」を出しましょう。
ただし、カジュアル=手抜きではありません。スニーカーを合わせる場合は汚れがないか特に注意し、髪型をすっきりとまとめることで、ラフな中にも清潔感を漂わせることが大切です。
「ストリート・個性派系」はブランドの象徴アイテムを主役に

原宿系やストリートブランドなど、個性を重視するブランドでは、守りに入りすぎると「面白くない」「ブランドカラーに合わない」と思われてしまいます。
ブランドのアイコンとなるアイテム(ロゴパーカーや特徴的なスニーカーなど)を主役に据えつつ、だらしなく見えない工夫が必要です。
- トップス:オーバーサイズのパーカーやTシャツを着る場合は、汚れやヨレがない新品に近い状態のものを選びましょう。
- ボトムス:ワイドパンツやカーゴパンツなど、トレンドのシルエットを意識して選んでみましょう。
- ポイント:全体がラフになりすぎないよう、ヘアスタイルをタイトにまとめたり、大ぶりのアクセサリーでエッジを効かせたりして「計算されたラフさ」を演出するのがコツです。
もし「どこまで攻めていいかわからない」という場合は、そのブランドのショップ店員さんの服装を参考に、「一番おとなしめのスタッフ」くらいのバランスを目指すと失敗がありません。
季節感も重要!シーズン別・面接ファッションの注意点

「おしゃれは我慢」という言葉もありますが、面接において季節感のない服装は「TPOがわかっていない」と判断されてしまいます。
どれほど素敵なコーディネートでも、真夏に厚手のニットを着ていたり、真冬に薄着すぎたりしては違和感を与えてしまうでしょう。
ここでは、シーズンごとに気をつけるべきポイントと、快適かつ好印象な装いのコツを解説します。
春・秋は「羽織りもの」で温度調節&きちんとした印象に
気候が変わりやすい春や秋は、カーディガンやジャケット、トレンチコートなどの「羽織りもの」が大活躍します。面接会場の空調に合わせて体温調節できるだけでなく、カットソーの上に一枚羽織るだけで「きちんと感」が出るので一石二鳥です。
色はベージュやグレー、ネイビーなどのベーシックカラーを持っておくと、どんなボトムスとも合わせやすく重宝します。また、春ならパステルカラーや明るい色味を取り入れて軽やかさを、秋ならボルドーやマスタードなどの深みのある色で季節感を出すと、ファッションセンスのアピールにも繋がります。
夏の面接は「露出・汗対策」が必須!薄着でも清潔感を死守
暑い夏場でも、過度な露出はビジネスの場ではNGです。
キャミソールやタンクトップ一枚での参加、極端に短いミニスカートやショートパンツは「清潔感に欠ける」「目のやり場に困る」と見なされる可能性が高いため避けましょう。透け感のある素材を着る場合は、必ずインナーを着用して上品さを保つことが大切です。
また、汗ジミやニオイも大きなマイナスポイントになります。吸水速乾性の高いインナーを着用したり、会場に着く前に汗拭きシートでケアしたりするなど、爽やかな印象を保つための準備を忘れないでください。ハンカチやタオルも、サッと取り出せるように準備しておきましょう。
冬の面接は「アウター」も審査対象!コートの選び方とマナー
冬の面接では、コートやマフラーなどのアウター類もコーディネートの一部として見られています。中が完璧でも、アウターが毛玉だらけだったり汚れていたりしては、第一印象で損をしてしまいます。カジュアルすぎるダウンジャケットよりも、すっきりとしたチェスターコートやトレンチコート、ノーカラーコートの方が、脱いだ時もスマートに見えおすすめです。
また、アパレルショップでは「入店前にアウターを脱ぐ」のが一般的なマナーとされることもありますが、面接会場(オフィスや店舗のバックルームなど)に入る前には必ず脱いで手に持つようにしましょう。
マフラーや手袋も事前に外し、バッグの中にしまうか綺麗にまとめて持つのがマナーです。
絶対に避けたい!アパレル面接の「服装NG」チェックリスト
「これを着ていったら不採用になる」という明確なルールはありませんが、どのブランドの面接であっても共通して「避けるべき」NGファッションは存在します。
知らず知らずのうちにやってしまっていないか、鏡の前で最終チェックを行いましょう。
特に以下の4つのポイントは、面接官が厳しくチェックしている項目です。
- リクルートスーツや就活感の強すぎるアイテム
- ヨレた襟元・靴の汚れなど「清潔感」に欠けるもの
- 競合他社のロゴが大きく入ったアイテム
- デニムやサンダルなど「カジュアルすぎる」アイテム(※ブランドによる)
それでは、なぜこれらがNGなのか、具体的な理由を見ていきましょう。
リクルートスーツや就活感の強すぎるアイテム
「面接=スーツ」と考えがちですが、アパレル業界においてリクルートスーツは「個性が感じられない」「ファッションに興味がないのでは?」とマイナス評価につながることが多いです。特に指定がない限り、画一的なリクルートスーツは避け、自分らしさを表現できる私服を選びましょう。
ただし、ラグジュアリーブランドや一部の本社職(総合職)の面接ではスーツ着用が求められる場合もあります。事前に募集要項をよく確認してください。
競合他社のロゴが大きく入ったアイテム
アパレル面接でやってしまいがちな失敗の一つが、「競合ブランド」のロゴが大きく入った服を着ていくことです。例えば、スポーツブランドA社の面接に、ライバルであるB社のロゴパーカーを着ていくのは大変失礼にあたります。
「業界研究が足りない」「配慮ができない」と思われないよう、ロゴアイテムを選ぶ際は慎重になりましょう。どのブランドが競合にあたるかわからない場合や迷った場合は、無地のアイテムを選ぶのが最も無難で安全と言えるでしょう。
デニムやサンダルなど「カジュアルすぎる」アイテム
ブランドのテイストにもよりますが、一般的なアパレル面接では「部屋着に見えるような服装」はNGです。スウェットパンツやジャージ、ビーチサンダルなどは、ラフすぎて「仕事をする服装ではない」と判断されます。
デニム(ジーンズ)に関しては、カジュアルブランドであればOKな場合もありますが、ダメージ加工が激しいものやルーズすぎるシルエットは避けたほうが無難です。デニムを履く場合は、濃い色のインディゴデニムやホワイトデニムなどきれいめなデザインを選び、ジャケットや革靴と合わせてバランスを取るなどの工夫が必要です。
服だけじゃない!合否を分ける身だしなみチェック

服装が決まったら、最後はヘアメイクや小物で仕上げを行います。
「神は細部に宿る」と言いますが、アパレル面接ではまさにこの細部へのこだわりが合否を左右します。「おしゃれな服を着ているのに、なんとなく残念に見える」とならないよう、トータルコーディネートを完成させましょう。
ここでは、髪型、メイク、そして意外と見落としがちな手元や足元のマナーについて解説します。
髪型・髪色は「顔周りを明るく」見せるセットを意識
髪型は、表情がよく見えるようにセットするのが基本です。
前髪が目にかかりすぎていたり、髪がボサボサだったりすると、暗い印象を与えてしまいます。ロングヘアの場合はまとめ髪にするか、ハーフアップにして耳を出すと、清潔感が出て顔周りもすっきりします。
髪色については、ブランドの規定(トーン)がある場合も多いですが、基本的には「清潔感があれば自由」な傾向があります。
ただし、プリン状態(根元が黒く伸びた状態)や、色が抜けきってパサついた金髪は不潔に見えるため、面接前に美容室で整えておくのがマナーです。
ヘアオイルやワックスを使って、ツヤ感を出すだけでも印象は大きく変わります。
メイクは「ナチュラル」かつ「ブランドの雰囲気に寄せる」
メイクもファッションの一部です。ノーメイクはマナー違反ですが、濃すぎるメイクも好まれません。大切なのは「そのブランドの店頭に立っている姿」を想像させることです。
ベースメイクはナチュラルに仕上げ、肌のきれいさをアピールしましょう。その上で、アイメイクやリップの色味で「そのブランドらしさ」を表現します。
例えば、クールなブランドなら少しキリッとした眉やアイラインに、フェミニンなブランドなら柔らかいピンクやコーラル系のリップにするなど、メイクで世界観を合わせることが重要です。
爪先・靴・バッグなどの細部まで手を抜かない
「おしゃれは足元から」と言われるように、靴やバッグなどの小物は意外と見られています。ヒールがすり減ったパンプスや、薄汚れたスニーカーは論外です。面接前には必ず汚れを落とし、必要であれば修理に出しておきましょう。バッグも、A4書類が入るサイズで、服のテイストを邪魔しないシンプルなものがおすすめです。
また、アパレル販売員は商品を畳んだりレジを打ったりと、手元をお客様に見せる機会が多い仕事でもあります。
だからこそネイルは清潔感が第一。爪が長すぎたり、ストーンがゴテゴテについているデザインは避けましょう。肌馴染みの良いワンカラーやフレンチネイルにするか、ネイルをしない場合でも甘皮の処理や保湿をして、ツヤのある健康的な爪にしておくことが大切です。
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「未経験だから不安…」という方は、アパレル店員に求められるスキルや、未経験から採用されるためのコツをまとめたこちらの記事もぜひチェックしてください。
まとめ | 志望ブランドへの「愛」と「敬意」を服装で表現しよう
アパレル業界の面接において、「私服」はあなたを表現する最大の武器です。「何を着るか」に正解はありませんが、大切なのは「そのブランドで働きたい」という熱意と、お客様を迎える側としての「マナー」を服装に込めることです。
最後に、面接へ向かう前にもう一度、以下のポイントをチェックしてみてください。
- その服は、ブランドのイメージに合っていますか?
- シワや汚れ、毛玉はありませんか?
- 靴やバッグ、ネイルまで手入れされていますか?
- 「この人から服を買いたい」と思える姿になっていますか?
鏡の前の自分に自信が持てたら、あとは笑顔を忘れずに。
あなたのファッションへの情熱が、面接官にしっかりと伝わることを応援しています。


