
果物や漁業が有名な愛媛県。実はパン大国ってご存知でしたか?
人口10万人あたりに対するパン屋の数は全国1位といわれています。
老舗から新店まで美味しいパン屋さんがたくさんあり、県民それぞれ「推し」のパン屋さんが必ずあるといっても過言ではありません。
愛媛生まれ・愛媛育ちの私の推しのパン屋さんは店主ワカ子さんが営む「ワカパン」。愛情たっぷりのパンとそのストーリーをご紹介します。
ワカパンは海と山のまんなかに佇む対面式パン屋
国道196号線から松山市北条の霊山である高縄山(たかなわさん)へ向かう道をまっすぐ、上へ上へと進みます。

ワカパンの駐車場の看板が見えました。
坂を下り、車を停めてそこから徒歩40秒。

ワカパンののぼりが目印のお宅がワカパンです。
ワカパンは、ご自宅の1階をリフォームし、対面式パン屋を2020年5月6日にオープンしました。
当時はコロナ禍真っ只中。コロナ前から準備を始めましたが、難しいご時世の中、悩みに悩んで、当初の予定よりも遅れてひっそりとオープンさせたそうです。
朝活に!早朝営業のパン屋

ワカパンは早朝6時から開店。夏場はなんと5時から開店しています。(詳しい営業日時はワカパンのInstagramで月間カレンダーをチェックしてください)
もともとは11時開店でしたが、夏場でも美味しくパンを食べてもらえるように、そして早朝から活動されている方の活力になるように、と早朝営業を始めました。
開店時はまだ品数は多くないですが、それでもほかほかの焼きたてパンを食べられるのは、早起きをした人の特権でしょう。「焼きたてのものをちょうだい」とオーダーする人もいるそうですよ。
品数が多く揃っているのは9時30分頃です。
ショーケースに並ぶ可愛いパン

お店のショーケースには、美味しそうなパンたちが並んでいます。

名札にはそれぞれパンの特徴が書かれているので、ゆっくりと読みながらお好みのパンを見つけてください。窓越しにワカ子さんと会話を楽しみながら選ぶのも、対面式のいいところ。レギュラーパンから季節の野菜やフルーツを使った限定パンなど、一期一会の出逢いができます。
パンはどれも優しい味、そしてほどよい大きさなので、いつも欲張ってたくさん買ってしまいます。
自然の酵母を使ったこだわりの生地
ワカパンのパンは自然の酵母でできた、ふわふわで優しい生地が特徴。酵母は2種類使われています。
1つはホシノ丹沢酵母。ワカ子さんが訪れた埼玉のパン屋さんの講演会で知ったもの。香りの良さに惚れ込んでワカパンでも取り扱うようになりました。
そしてもう1つは自家製酵母。旬のものでワカ子さんが発酵させて育てた、我が子のような酵母です。
最初こそ失敗することもあったそうですが、発酵に成功した時にプクプクと音を立てる様に愛おしさがこみあげて、そこから自家製酵母を始めるようになりました。
「誰もいない部屋で、発酵されている音を聞く時間が最高なんです」酵母のことを話すワカ子さんは、本当に子どものことを話すお母さんのようです。
自家製酵母は、無理せずできる範囲で作れるようにと、一品のみに使われています。他はホシノ丹沢酵母で、全部で5種類の生地をベースに様々なパンが作られています。
生地を楽しむ「ワカパン」で食べてほしいパン4選
この日もたくさんのパンを買ってきました。ピザパン、塩チョコパン、限定8個という抹茶塩パンなどなど……。
菓子パンも惣菜パンも、防腐剤などの添加物を使っていないシンプルな材料で作られています。

どれもおすすめしたい、美味しいパンたちですが、とにかくワカパンのこだわりは生地。
「生地を楽しむパン」と題して、特に食べてほしい4品をご紹介します。
人気No.1あんぱん

見た目も珍しいワカパンのあんぱん。可愛い焼き印がトレードマークです。
あんぱんはワカパン人気No.1でもあり、ワカパンで誕生したパン第1号でもあります。
ふわふわの牛乳100%の生地に、たっぷり入ったこし餡。この餡はワカ子さんが惚れ込んで、生産者さんへ熱烈ラブコールをしてお取引ができるようになった皮むき餡。
この餡に合うパンを作ろうと生地作りがスタートし、出来上がったのが今やワカパンの代名詞ともいえるあんぱんです。
ふわふわの生地と優しい甘味の餡が相まって、ファンが続出するのも納得です。
このままで食べるのはもちろん、実は焼いて食べるのも絶品!
フライパンで両面を軽く焼くと、カリカリの食感に変化します。餡は甘味が増すので、ぜひ試してみてください。
ポイポイ

旬のものを使った自家製酵母が使われているのは、このポイポイのみ。
ふわふわの生地が特徴のワカパンですが、このポイポイは外側はパリパリ。中はモチモチです。
このモチモチ感を出すために、他のパンよりも水分量を多くしています。そのため、作る工程で素早く手から放して、シートの上にポイポイと投げることから「ポイポイ」と名付けられました。
取材時いただいたポイポイは、いちごの酵母でした。ふんわりと甘酸っぱい香りが漂います。
小ぶりのサイズで、お値段はなんと75円!
ついつい何個も食べたくなってしまいますが、1個でも大満足するほどモチモチ。噛めば噛むほど小麦の味がして、まさに生地を楽しむパンです。
オリジナルソフトフランス

名前のとおりソフトなフランスパン。
フランスパンはハードなイメージですが、本当にふわふわなんです。大きさはハーフと1本で選ぶことができます。
お好みの具材を挟んで、サンドイッチにするのをワカ子さんはおすすめされていますが、私はバターでカリッと焼いてシンプルに食べるのも好きです。
取材した翌日の朝食としていただきました。バターの塩気と、生地の優しい甘味が良い塩梅で、寝起きの体をゆっくりと目覚めさせてくれます。
食パン

牛乳を練りこんだホシノ丹沢酵母で作られた食パンは、見るからにふわふわな山型食パンです。
こちらはなんと、酵母の種おこしから店頭に並ぶまでに6日もかかるそう。とても手間暇がかかっています。
食パンも1本とハーフサイズがあります。
こちらは厚切りで食べるのがおすすめ!山のくぼみに合わせてカットして、口いっぱいにほおばって、ふんわりとした甘味を贅沢に感じてみてください。
「パン屋をしたい」膨らみ続けるパン愛

国産の小麦、牛乳、バターなどをふんだんに使っているワカパンのパンですが、ワカ子さんがパンを作るようなったのは、実はアレルギーがあったお子さんがきっかけ。小麦や牛乳などが食べられないお子さんに食べてもらいたくて、お米を使ったパンを作ったのが最初のワカパン。その時に、パン作りの面白さを知ったそうです。
お子さんが幼稚園へ通い始める時に、地元のパン屋さんでのパートを始めたり、自分でもパン作りの講座を習ったり、どんどんパン作りに魅了されたワカ子さん。
「もっと作りたい!もっと食べてほしい!」という想いは膨らみ、幼稚園のバザーや地域のイベントに自家製パンを出すようになりました。その頃から地元の人たちに『ワカパン』と呼ばれるようになったのだそう。
ワカ子さんのパンへの情熱は冷めることを知らず、いつの間にか「パン屋をやりたい」というのが口癖に。そうすると、助けてくれる仲間が集まり、業者を紹介してくれる人もいて、どんどん人脈が増えていきました。

「自分の力じゃなくて、助けてもらったおかげなんですよ」明るい声で答えてくれるワカ子さん。優しい笑顔に、仲間が集まってくる理由が分かる気がします。
1日の始まりにワカパンで元気をチャージ

山の麓ののどかな場所でひっそりと営みながらも、元気をもらいに行きたくなる明るいお母さんのパン屋ワカパン。
きっとこれからもワカ子さんのパンへの愛情は膨らみ続けて、美味しいパンたちがショーケースに並ぶでしょう。
お仕事を頑張りたい日、休日を有意義に過ごしたい日、1日のスタートにワカパンのパンで元気をチャージしませんか?
ワカパンは北条の道の駅「ふわり」にも週4日卸されています。
ワカパンの営業日、ふわりでの発売日はワカパンのInstagramでお知らせしています。
ぜひ何度も通って、お気に入りのパン、期間限定パンと出逢ってあなたの推しパンを見つけてください。
ワカパン店舗情報
店名 | ワカパン |
住所 | 〒799-2443 愛媛県松山市善応寺甲1083-7 |
営業時間 | 6:00~14:00(売り切れ次第終了) ※公式Instagramでご確認をお願いします |
定休日 | 木・土・日曜 ※公式Instagramでご確認をお願いします |
電話番号 | 072-233-1101 |
WEB | https://www.wakapan.net |
@kw2store.0219 | |
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