家族や親族だけを招いて少人数で行う結婚式「家族婚」。ゲスト数が少ない分、落ち着いた雰囲気で過ごせるだけでなく、「費用も抑えやすいのでは?」と考えるカップルも多いでしょう。しかし実際には、「どのくらい費用がかかるのか」「挙式や会食の内訳はどうなるのか」と、具体的な金額や準備の進め方に不安を抱える方も少なくありません。
本記事では、家族婚の費用相場と主な内訳、抑えどころのポイント、気をつけたい注意点をわかりやすく解説します。
限られた予算の中でも満足度の高い家族婚を叶えるための参考になれば幸いです。

家族婚とは?少人数婚ならではの特徴と魅力

家族婚とは、その名のとおり家族や親族だけを招待し、ごく少人数で結婚式を挙げるスタイルのことです。一般的に10〜30名程度の規模で行われることが多く、派手な演出よりもアットホームさを重視するカップルに人気が高まっています。
大人数を招待する結婚式と比べると費用を抑えやすく、思い出づくりにじっくり時間をかけやすいのも魅力の一つです。「ゲストとの距離を大切にしたい」「シンプルに結婚の報告をしたい」という人には特におすすめのスタイルといえます。
まずは、家族婚のメリットや大人数の結婚式との違いについて解説していきます。
ゲストを最小限に絞るメリット
ゲスト数を最小限に絞ることで、新郎新婦が一人ひとりとコミュニケーションを取りやすくなります。賑やかなパーティーでは全員と深く話せずに終わるケースが多いですが、家族婚なら時間と気持ちにゆとりが生まれるはずです。
また、ゲストが少ない分、料理や引出物の人数分の費用が必要最低限にとどまり、全体的なコストを抑えやすいというメリットがあります。さらに、ゲスト全員が顔見知りであることが多いため、リラックスした雰囲気の中で結婚式を楽しめる点も魅力です。
大人数ウェディングと比較したときの違い
大人数ウェディングは華やかな演出や盛大なパーティー感を演出できる反面、全体の費用が膨らみやすく、招待状の準備や席次表の作成などの手間も大きくなります。一方、家族婚の場合は招待客が少ないため、準備期間が短くても十分にプランを練ることが可能です。
また、大掛かりな演出に費用をかける必要がない分、料理や衣装など優先度の高い部分に集中して予算を配分できるのも大きな違いです。
家族婚の費用相場は?主な内訳とポイント

家族婚の費用は大人数ウェディングより低めになりやすいですが、実際には数十万円から100万円前後と幅広いのが現状です。理由としては、会場のグレードや希望する演出、料理のランクなどによって大きく変動するためです。
ただし、人数が少ない分「1名あたりの料理単価を少し上げても予算内に収まる」など、融通が利きやすいのも家族婚ならでは。
ここでは、主な費用の内訳を解説していきます。
会場費や挙式料の目安
家族婚プランを提供している式場やレストランの場合、挙式料や会場使用料、装花などがセットになっていることがあります。料金の目安は10〜30万円程度のプランが多いですが、チャペル挙式なのか神社式なのかといったスタイルによっても差があります。
小さな会場であれば、よりリーズナブルなプランが見つかる場合もあるため、見積もりは複数の会場を比較検討すると安心です。
衣装・ヘアメイクなどの美容関連費用
ウェディングドレスやタキシードのレンタル費用は、ドレスが10〜25万円、タキシードが5〜10万円ほどが相場です。ここにヘアメイクや着付け、アクセサリーのレンタルなどが追加されるケースも多いため、トータルでのチェックが不可欠です。
家族婚なら移動や演出の回数が少ない分、ヘアチェンジや小物のグレードアップなどにメリハリをつけ、思い出づくりに集中しやすい点が利点といえるでしょう。
料理・飲み物の料金をどう見積もる?
料理はゲストへのおもてなしの中心となるため、費用を抑えるかグレードを上げるかで悩む方が多いです。フルコースにする場合は1名あたり1万5千円〜2万円前後が目安ですが、ゲスト数が少ない分、やや高めのコースを選んでもトータルの予算が大きく上振れしにくいのが家族婚の特徴です。
また、飲み物を飲み放題にするかどうか、乾杯酒をどうするかなど細かいオプションも予算に影響するため、ゲストの飲酒量や好みを考慮してメニューを選ぶとよいでしょう。
撮影や演出オプションの費用感
写真や映像の撮影、会場装飾などは思い出を形に残す重要な要素です。プロのカメラマンを手配する場合、撮影プランが5〜15万円、アルバム制作やDVD・ブルーレイへの編集を加えるとさらに追加料金が発生します。演出についても、
例えばバルーンリリースやキャンドル演出などを加えると費用が上乗せされます。限られた予算のなかで後悔しないためには、「写真を重視したい」「華やかな演出は少なくていい」など、自分たちのこだわりポイントをあらかじめ決めておくことが大切です。
セットプランに含まれる範囲の確認が重要
家族婚向けのパッケージプランは、挙式料や会場費、衣装やヘアメイクなどがまとまって割安になるメリットがあります。とはいえ、すべてが「無料でカバー」されるわけではなく、撮影オプションや装花のグレードアップなどで追加料金が発生しやすい点に注意が必要です。
セットプランを利用する際は、どの部分が含まれているのかを事前に確認し、自分たちが望む演出やアイテムに合わせて見積もりを比較検討することをおすすめします。
家族婚で追加費用がかかりやすい場面とは?
家族婚は人数が少ないので「追加費用は少ないはず」と考えられがちですが、意外なところで予想外の出費が発生することがあります。
見落としを防ぐためにも、追加費用のかかりやすい場面を把握しくのも素敵な家族婚にするポイントの一つです。
ここからは下記の主なポイント3つを解説していきます。
- 遠方ゲストの交通費・宿泊費
- おもてなしに必要な演出やギフト
- 会場によって異なる持ち込み料
それぞれ順番に解説していきます。
遠方ゲストの交通費・宿泊費
家族婚の場合でも遠方から親族を招くケースは珍しくありません。一般的には交通費や宿泊費は招待側が全額または一部を負担することが多く、地域や家族間の慣習によっても変わってきます。
負担額をどうするか決めておかないと、式直前に余計な出費やトラブルが発生することがあります。招待状の作成時点で遠方ゲストの有無を確認し、早めに予算に含めておくことが得策です。
おもてなしに必要な演出やギフト
少人数だからこそ、ゲスト一人ひとりに特別感を味わってもらいたいという気持ちが高まりやすいもの。例えば、オリジナルの席札やギフト、家族写真の撮影会など、心を込めた演出を盛り込むと追加料金が発生することがあります。
こうした演出をリストアップし、最初から見積もりに組み込むことで、後々「想定外の出費」が積み重なるのを防げます。ゲスト満足度と予算のバランスを考慮しながら選択すると良いでしょう。
会場によって異なる持ち込み料
外部で用意したブーケ、衣装、引出物などを持ち込む場合、会場によっては1点数千円〜数万円単位の持ち込み料がかかることがあります。持ち込みを検討している場合は、会場選びの段階で「持ち込みが可能か」「持ち込み料はいくらか」について必ず確認しましょう。
持ち込みOKであっても、トータルするとセットプランを利用したほうが安かったというケースもあるため、比較して納得のいく選択をすることが重要です。
家族婚の費用を上手に抑えるコツ

少人数でシンプルに行う家族婚だからこそ、費用を抑える余地は大きいといえます。
- 会場選びや挙式日程の工夫
- 装飾や演出の優先順位を見極める
- 手作りアイテムでオリジナリティを演出
上記のような工夫を取り入れることで、予算内で満足度の高い結婚式を実現しやすくなるでしょう。
それぞれ順番に解説していきます。
会場選びや挙式日程の工夫
土日祝日や人気シーズンの挙式はどうしても費用が高めになります。一方、平日挙式やオフシーズン(夏や冬など)を検討すると、会場費やプラン料金が抑えられることがあるので要チェックです。
家族婚は人数が少ない分、ゲストの日程調整もしやすいため、こうした日取りの柔軟性が大きなメリットとなります。
会場によっては「仏滅割引」などを実施している場合もあるので、交渉してみると意外にお得なプランが見つかるかもしれません。
装飾や演出の優先順位を見極める
華やかな会場装花や派手な演出をすべて取り入れようとすると、あっという間に費用が膨れ上がる可能性があります。
まずは「料理にこだわりたい」「写真を重視したい」など自分たちの優先事項を決め、その次に必要な装飾や演出を吟味しましょう。
予算のメリハリをつけることで、最小限の出費で最大限の満足度を得られる家族婚が実現しやすくなります。
手作りアイテムでオリジナリティを演出
招待状や席札、ウェルカムボードなど、比較的簡単に作成できるアイテムは手作りすることでコストダウンが可能です。手作りアイテムは温かみがあり、ゲストに「ふたりらしさ」を感じてもらえるメリットもあります。
ただし、製作に時間がかかったり、材料費が意外と高くつく場合もあるので、最初に作る量や予算を決めてから取り掛かるとスムーズです。
家族婚を安心して進めるための注意点

費用を抑えられる家族婚ですが、特有の注意点も存在します。
特に家族・親族間のコミュニケーションは、大人数のウェディング以上に密接に行われる場合が多いので、以下のようなポイントに気を配りましょう。
- 招待者リストの作成と事前の話し合い
- 両家や親族の意向とのすり合わせ
- ご祝儀と費用のバランスをどう考える?
招待者リストの作成と事前の話し合い
家族婚とはいえ、どこまでの親族を招待するのか、親しい友人を加えるかどうかなど、意外に悩むポイントが多く存在します。招待者リストをきちんと作成し、両家の意見をすり合わせることで、「気まずい思いをさせてしまった」というトラブルを回避できるでしょう。
特に人数が増えるほど費用に直結するため、最初の段階でしっかりリストを確定しておくと安心です。
両家や親族の意向とのすり合わせ
家族婚は両親や親族との距離が近いため、新郎新婦だけでなく、周囲の意向や希望も反映しやすい半面、意見の調整が必要になります。式のスタイルや費用分担、お車代の有無などは、後から変更するとトラブルになりやすい項目です。
早めに話し合いの場を設け、お互いの希望や予算感を共有することで、スムーズに準備を進めることが可能です。
ご祝儀と費用のバランスをどう考える?
家族婚はゲスト数が少ないため、ご祝儀に対する期待を高く持ちすぎると「思ったより費用が足りない」という状況に陥るリスクがあります。
ご祝儀は当日の実費にあてるというよりも「お祝いとしてありがたく頂くもの」と考え、基本の費用は自分たちの予算内で完結するように計画しておくと安心です。親から資金援助を受ける場合も、事前に「どこまで負担してもらえるか」を話し合っておきましょう。
家族婚の費用に関するよくあるQ&A
家族婚ならではの悩みや疑問は意外と多く、費用面で戸惑うカップルも少なくありません。
ここでは、代表的な質問に対する回答をまとめました。
少人数でもご祝儀はもらう?会費制を採用する?
ゲストが家族・親族中心の場合でも、基本的には通常の結婚式と同様にご祝儀を頂くケースが多いです。ただし、地域の慣習や両家の考え方によっては会費制にして、「金銭的な負担をゲストにかけたくない」という考え方を重視することもあります。
いずれの場合も、両家が納得するやり方を選び、招待状や口頭で事前にしっかり説明しておくことが大切です。
披露宴や会食を省略した場合の費用目安
挙式のみで披露宴や会食を行わないプランなら、一般的には10〜30万円程度で実施できる場合があります。フォトウェディングと組み合わせるカップルも増えており、衣装や撮影だけに集中することで費用を抑えながら思い出をしっかり残せます。
ただし、ゲストへのお礼やお車代の用意などが発生する場合もあるので、省略した分の費用が完全になくなるわけではない点に注意してください。
オプションやグレードアップは本当に必要?
料理や衣装、装飾のグレードアップを提案されると「せっかくだから」と思いがちですが、すべて取り入れると予算が一気に跳ね上がることもあります。
例えば、以下のような項目はグレードアップの優先度を考慮したうえで検討するとよいでしょう。
- 料理のメイン食材やデザートの追加
- ドレスやタキシードのブランドアップ
- 装花のランクアップ
優先順位を明確にし、「本当に必要だ」と感じる部分にだけお金をかけることで、満足度と予算を両立することが可能です。ゲストの顔ぶれや自分たちの価値観を総合的に考慮して選ぶと、後悔なく家族婚を楽しめるでしょう。
まとめ
家族婚は、ゲストを少人数に絞ることで費用面の無駄を抑えつつ、大切な人たちとの時間をより濃密に過ごせるスタイルです。しかし、挙式料や衣装、料理など必須の費用に加え、遠方ゲストの交通費やギフトなどの出費も意外と大きくなりがちです。最初に優先順位を定め、両家やゲストとのコミュニケーションを大切にしながら計画を立てれば、限られた予算でも満足度の高い家族婚を実現できるでしょう。
