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フォトウェディングのみは後悔する?流れや費用・メリットや注意点を解説

フォトウェディング、すなわち「撮影だけで結婚式はしない」という選択肢が広まりつつあります。

平均費用は約26万円と挙式+披露宴(平均約344万円)に比べて10分の1以下というのも魅力の一つです。

しかし「フォトウェディングのみで後悔しない?」「親や友人の理解は得られる?」という不安を抱く方もいらっしゃると思います。

本記事では失敗談や最新データを交えながら、準備の流れ・費用相場・メリット&注意点を網羅的に解説していきます。

フォトウェディングのみという選択を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

フォトウェディングのみとは?結婚式を挙げない選択肢

フォトウェディングとは、婚礼衣装を着てプロのカメラマンに撮影してもらうサービス全般を指します。

挙式や披露宴を行わず、写真だけで結婚の節目を残すスタイルを「フォトウェディングのみ」と呼びます。法律上の婚姻成立は役所で婚姻届を提出した時点で確定するため、式を挙げなくても夫婦としての効力は同じです。

フォトウェディングの定義と主なスタイル

大きく分けて「スタジオ撮影」と「ロケーション撮影」の2種類があります。前者は天候に左右されず6〜10万円ほど、後者は景観を活かせる反面15〜30万円程度かかるのが一般的です。

  • スタジオ撮影:屋内完結で天候リスクが低い/コストを抑えやすい
  • ロケーション撮影:季節感や思い出の場所で撮影可/移動費・許可料が上乗せ

スタイル選びは「どんな写真を残したいか」「予算」「スケジュール」を軸に検討しましょう。

フォトウェディングだけを選ぶカップルが増えている背景

ウエディングパーク調査によると、2024年のフォトウェディング実施率は70.6%。増加の背景には、コロナ禍での挙式縮小、ライフイベントへの資金分配、SNS映えを重視する傾向などがあります。

フォトウェディングのみで後悔する主な理由

フォトウェディングのみだった方の声として満足度は総じて高いものの「思ったより物足りなかった」という声も少なくありません。

ここからは、「フォトウェディングのみで後悔した主な理由」を紹介していきます。後悔の種は大きく感情面実務面に分かれます。以下のポイントを押さえ、あらかじめ対策を講じれば後悔を最小限に抑えられます。

優先順位などを照らしわせて、フォトウェディングのみにするかどうかの参考にしてみてください。

親族・友人に晴れ姿を直接見せられない

最も多いのが「家族や親しい友人の前でドレス姿を披露できなかった」という後悔です。写真を共有しても、当日の空気感や涙・拍手といったライブ感は伝わりません。招待制の撮影見学やライブ配信を取り入れることで、感動をリアルタイムで共有できます。

結婚式ならではのセレモニー体験がない

「バージンロードを歩く、指輪交換をする」こうした儀式には「人生の節目を実感させる力」があります。フォトウェディングだけだとセレモニーが簡略化されるため、後日「やはりケーキ入刀もしてみたかった」と感じるケースがあります。スタジオによってはミニセレモニー込みの撮影プランがあるので要チェックです。

祝われ感・思い出共有機会の不足

挙式・披露宴はゲストがエピソードを語り、スピーチや余興で“みんなで作る思い出”が残ります。一方、撮影のみでは共有体験が限られるため、時間が経つにつれて「アルバム以上の物語がない」と感じやすくなります。撮影後に少人数でのお披露目食事会を設定すると、祝われ感を補完できます。

パートナー間の期待ギャップが顕在化

「費用を抑えたい派」と「一生に一度だから豪華にしたい派」で価値観が食い違うと、撮影内容や予算配分で不満が残ります。「コンセプトボードで“理想の写真像”をすり合わせる、オプション費用の上限を決めておく」など、初期段階で合意形成を行いましょう。

写真以外のコンテンツ(動画・手紙)が残らない

写真データは美しくても、動きや声は後から追加できません。「将来子どもと動画を見返したかった」という声も多いため、ムービー撮影オプション家族への手紙朗読シーンを同時収録しておくと安心です。

後悔しないためのポイントと準備の流れ

フォトウェディングの満足度は「出来上がった写真の質」×「当日までの体験価値」で決まると言われます。

以下の4ステップを押さえることで、完成写真だけでなくプロセスも含めて思い出深い一日を実現できます。

コンセプト決めと撮影イメージボードの作成

まずは「どんな世界観で写真を残したいか」を二人で擦り合わせます。おすすめは、PinterestCanvaのムードボード機能を使って以下を可視化する方法です。

  • カラーパレット(くすみパステル/モノトーンなど)
  • ロケーションの雰囲気(海・森・街並み・和庭園…)
  • 衣装テイスト(クラシカルドレスか和装か、ツーピースか等)
  • 小物やポーズ例(ブーケ・イーゼル・ペット同伴 等)

具体的なイメージを共有することで、打ち合わせや衣装合わせがスムーズになり、スタッフ側の提案力も高まります。

スタジオ撮影 vs ロケーション撮影の選び方

次に「理想の写真」×「現実の条件」を照合して撮影場所を決定します。

比較軸スタジオロケーション
天候リスク低い雨天順延・費用負担あり
撮影自由度背景セット内で完結自然光・景観を活かせる
費用6〜10万円15〜30万円+許可料
所要時間半日丸一日かかる場合も

「雨の日に延期した場合の追加料金」「ロケ先の使用許可申請は誰が行うか」を見積もり段階で必ず確認しましょう。撮影当日の天気が不安なら、スタジオとロケを半日ずつ組み合わせる“ハイブリッドプラン”も選択肢です。

家族・友人参加型プランの活用

後悔ポイントで触れた“祝われ感”を高める方法です。最近は以下のような参加型サービスが充実しています。

  • 撮影見学+フォトツアー:カメラマンが家族をガイドしながら撮影舞台裏を案内
  • ライブ配信:遠方ゲストにリアルタイム中継(スマホ三脚レンタル込みプランも)
  • 撮影後ミニパーティー:同会場カフェでプチケーキ入刀&乾杯

どのプランも「人数上限」「飲食持ち込み可否」がスタジオごとに異なるため、参加予定者が決まった段階で詳細を詰めておくと安心です。

撮影当日までの流れ

一般的な1か月プランの流れと要チェック項目を示します。

  • 4週間前:衣装試着(サイズ調整・インナー購入)
  • 3週間前:ヘアメイクリハーサル(アレルギー確認)
  • 2週間前:ロケ先最終決定&雨天対策(予備日確保)
  • 1週間前:持ち込み小物リスト共有・モデルリリース確認
  • 当日:支度→移動→撮影→着替え→データ確認→精算

特に「ヘアメイクリハーサルの有無」「撮影後の即日データ確認可否」は満足度を左右するため、オプションでも付ける価値があります。

衣装・小物のこだわりで個性を出すコツ

衣装は“レンタル+ワンポイント持ち込み”がコスパ良好です。例えばレンタルドレスに自分のシューズやジュエリーを合わせれば費用を抑えつつ個性も演出できます。

小物は「手紙ボード」「イニシャルオブジェ」「愛犬の首輪用ブーケ」など、サイズが小さく安全に撮影できる物を選びましょう。スタッフの持ち込み規定に沿わないと当日NGになる場合もあるので、必ず事前許可を取ってください。

フォトウェディングのみの費用相場とコストを抑えるコツ

「フォトウェディング=安い」というイメージがありますが、オプションを追加すると総額は5〜40万円超と幅広くなります。費用構成を理解し、割引制度を最大化すれば“写真の質”と“コスパ”の両立が可能です。

基本プランとオプション費用の目安

最初に提示される“基本プラン”はあくまで土台です。実際の支払い総額は、次のオプションを足し引きして決まります。

費用項目相場コメント
基本撮影料(衣装1着・データ30cut)8〜15万円スタジオ内
ロケーション追加料+5〜10万円移動・許可取得を含む
衣装2着目(和装orドレス)+3〜8万円着付け・ヘアチェンジ料込み
アルバム(20P)+3〜10万円装丁ランクで変動
動画撮影(1〜2分)+5〜12万円ドローン利用で上乗せ
土日祝アップチャージ+2〜5万円人気枠は早めに埋まる

「衣装追加=アルバムページ追加=編集工数増」と連動するため、必要なカット数と共有用途を先に決めておくと無駄なオプションを避けられます。

ケース別サンプル見積もり

プランスタジオライトロケーションスタンダードロケ&動画プレミア
基本撮影料10万円12万円12万円
ロケ追加7万円7万円
衣装2着目5万円5万円
動画撮影10万円
土日祝料3万円3万円3万円
概算総額13万円27万円37万円

「家族へ写真共有が目的ならライト」「SNS映え重視ならスタンダード」「映像も残したいならプレミア」など、用途に合わせてメリハリを付けましょう。

季節・曜日・早割で賢く節約する方法

同じプランでも“いつ撮るか”で最大30%変動します。

  • 平日割:月〜木は土日より2〜5万円安いことが一般的
  • オフシーズン割:8月・1月など閑散月は10〜20%OFF
  • 早割:3〜6か月前予約で特典(アルバム無料など)

ただし平日はヘアメイク指名や両親の休暇調整が難しい場合も。「休日でも午前枠は割引」といった穴場があるので、複数スタジオを比較しましょう。

挙式・披露宴との費用比較

「結局お得なの?」と迷う方に、費用構造を分解した比較表を示します。

項目フォトのみ挙式+披露宴
固定費(会場/撮影)8~15万円120~180万円
変動費(衣装・演出・飲食)0~25万円150~170万円
ゲスト関連0~5万円20~40万円
総額目安13~40万円290~390万円

招待人数が増えるほど飲食費・演出費が膨らむため、「少人数ならフォト+食事会」「大勢呼びたいなら挙式披露宴」と棲み分けすると判断がブレません。

見積もりチェックポイントと交渉術

複数社を比較する際は、以下の3点を統一して見積もりを取り、金額交渉の材料にしましょう。

  • 同じカット数・衣装数で比較
  • 土日か平日か、同一日程で算出
  • アルバム仕上げ方法(銀塩/印刷)を統一

「他社はこの内容で〇万円でした」と提示すると、値引きか追加特典(データ全渡し無料など)を得られるケースが多いです。値引きより特典追加の方が写真品質を保てる点も押さえておきましょう。

フォトウェディングのみを選ぶメリット

「費用が安い」だけでなく、ライフスタイルや価値観にフィットする柔軟性こそがフォトウェディングの真髄です。

ここでは代表的な3つのメリットを深掘りし、どんなシーンで活きるのか具体例を添えて解説します。

コストパフォーマンスと自由度の高さ

平均26万円という撮影費は、挙式披露宴の1/10以下。浮いた予算を新居の頭金・ハネムーン・将来の教育資金などに充当できるのは大きな魅力です。

また撮影地や衣装、演出を自由にカスタマイズできるため、次のような“自分たちらしい写真づくり”が可能になります。

  • 思い出の街並みでのロケーション撮影+愛車と共演
  • 山岳リゾートでのサンライズフォト+アウトドアウェア
  • 推しカラーで統一したペイントスモーク演出

こうした自由度は、格式ある挙式会場では実現が難しいケースが多く、フォトウェディングのみならではのメリットと言えます。

写真に全力投資できるクオリティ追求

披露宴の演出や会場装花に振り分ける予算を、写真と動画の品質に集中投下できます。具体的には次のようなアップグレードが現実的です。

  • トップアワード受賞フォトグラファーの指名料(+3〜5万円)
  • フィルム撮影+アナログ現像によるノスタルジック仕上げ
  • Fine‑Artプリントやキャンバスパネルでの大型装飾

さらに、空撮ドローンや360°カメラを追加して“シネマティックムービー”を制作すれば、写真だけでは残せない臨場感を将来の家族と共有できます。

短期間で準備が完結しやすい

フォトウェディングは最短1か月で撮影が可能。転勤・妊娠・留学前など時間が限られる状況でも次のようなメリットがあります。

  • オンライン打ち合わせ主体で遠距離カップルでも調整しやすい
  • 衣装試着は平日夜や週末1回で完了するケースが多い
  • ロケ日が雨天でも予備日調整が容易(ゲストを招かないため)

結果として準備ストレスが少なく、撮影当日はリラックスした表情を写真に残せるのも大きな利点です。

フォトウェディングのみの注意点・デメリット

コストと自由度の高さが魅力のフォトウェディングですが、あとから「やっぱり式もやればよかった」と感じる人が一定数いるのも事実です。後悔を避けるために、以下のデメリットと対策を必ず把握しておきましょう。

親族の理解を得るコミュニケーション術

特に両親世代は“結婚=式を挙げるもの”という価値観を持つ場合が多く、撮影のみだと寂しさを感じることがあります。対策としては、

  • 完成データをクラウド共有し、コメント欄で感想を募る
  • 撮影後に家族だけの食事会やオンライン乾杯を実施
  • フォトツアー当日に両親を同行させ、メイキングを体験してもらう

「感謝を直接伝える場」をどこかで設けると、親族の納得感が高まり、撮影当日も温かい雰囲気になります。

将来にわたる満足度を左右するポイント

撮影時は満足しても、10年後・20年後に“節目の儀式写真”がないことを物足りなく感じる人も。特に子どもが生まれてから「どうして挙式しなかったの?」と聞かれて初めて後悔するケースが散見されます。セレモニーカット(指輪交換やベールアップ)のワンシーンだけでも撮っておくと、将来の説明や回想に役立ちます。

データ管理とアルバム制作の落とし穴

フォトスタジオのデータ保管期間は平均1年。クラウドリンクが失効すると再発行料がかかったり、RAWデータは削除済みで再編集できないこともあります。

  • 納品直後にローカルHDD+クラウド2か所へバックアップ
  • レイフラット製本など劣化しにくいアルバムを1冊は作成
  • 編集ソフト別にJPEG/TIFF 2形式で保存

「データさえあればOK」と思わず、物理アルバム+複数バックアップで将来の閲覧リスクを最小化しましょう。

ロケーション撮影の天候・許可トラブル

屋外ロケは映える反面、雨天・強風で撮影が延期になると衣装再調整料や再撮影料(2〜4万円)が発生することも。また観光地や公園は許可証が当日必要になり、取得が間に合わないと撮影自体がキャンセルされるリスクがあります。

必ず「悪天候時の延期規定」「許可証は誰が手配するか」を契約書に明記し、予備日を確保しておくと安心です。

予算膨張と“あとから追加”リスク

「せっかくだから」とオプションを足していくうちに、挙式披露宴の簡易プラン並みの金額(40万円超)になることも珍しくありません。特に注意したいのは、

  • 衣装2着目→ヘアメイクチェンジ→アルバムページ増の連鎖
  • 家族同行で土日枠に変更→休日割増+人数追加料
  • データ全渡し無料と見せかけ、RAWは別料金

見積書は「基本+必須オプションのみ」で一度確定し、追加は上限額を決めたうえで検討すると予算オーバーを防げます。

フォトウェディングのみがおすすめのカップル像

「自分たちにフォトウェディングだけで本当に合うのか?」と迷う読者のために、向いているケースを具体的に整理しました。

以下のいずれかに当てはまるなら、撮影だけでも満足度の高い結婚記念を残せる可能性が高いです。

費用を他のライフイベントに充てたい

  • 住宅購入の頭金を優先したい
  • 海外ハネムーンや語学留学など経験投資を重視
  • 将来の不妊治療・教育資金に備えたい

結婚式総額の約300万円を「資産形成に回す/思い出旅行に回す」ことで、長期的な人生設計の自由度が高まります。撮影費を20〜30万円に抑えつつ、アルバムや動画を充実させれば“節約感”よりも“賢い選択感”が強まるのもポイントです。

写真にこだわりたい・セレモニーにこだわらない

  • 広告クオリティの作品撮りが夢だった
  • ドレスよりもファッションスナップ風コーデを優先したい
  • 映画やアニメのロケ地で世界観を再現したい

挙式披露宴では難しい撮影時間の確保・ロケ移動・特殊シチュエーションも、フォトウェディングなら1日に凝縮できます。撮影後にSNSでポートフォリオ的に発信したいカップルや、フォトコンテスト応募を目指す場合にも最適です。

少人数・事情ありで大規模挙式が難しい

  • 再婚・授かり婚などで派手な挙式を避けたい
  • 国際カップルで家族が遠方に住み、集合が困難
  • 介護・療養中の家族がいて外出が制限される

ゲストを呼ばない、または10名未満のプチお披露目会で済むため、スケジュール調整や費用負担を最小化できます。遠方家族には撮影のライブ配信+後日アルバム郵送を組み合わせれば、祝われ感と負担軽減を両立できます。

まとめ

フォトウェディングのみは、費用を抑えつつ自由度高く思い出を形にできる一方、親族への配慮やセレモニー体験の不足が後悔につながることも。

撮影スタイルや参加者を柔軟に設計し、データ管理まで視野に入れた準備を行えば、撮影だけでも満足度の高い“自分たちらしい結婚の形”を実現できます。

今回解説した内容が記事を読んだ方にとって選択の参考になれば幸いです。